銅箔のナノアンカー処理による低粗化・高密着・高信頼性の実現
2019年12月16日
動機
- IoT(Internet of Things)、5G、自動運転等では高速で多くの情報を処理する必要があり、高周波用の基板が使用されている。
- 高周波基板の配線には主に銅が使用されており、この銅配線は表面が細かくないと(低粗度である)、高速伝送に遅れが生じてしまう。
- 一方で、銅の表面が細かすぎると、アンカー効果が得られず密着力が低下してしまう。このトレードオフの関係を打破したい。
課題
高周波基板の銅配線は、
1)低粗度
2)高密着
3)表面の安定化(性能劣化を防止)
を満足する表面が求められている。
成果
- 表面処理剤の検討により、低粗度、高密着、表面の安定化を実現!!!
課題背景
開発の動機
- IoT(Internet of Things)、5G、自動運転等では高速で多くの情報を処理する必要があり、高周波用の基板が使用されている。
- 高周波基板の配線には主に銅が使用されており、この銅配線は表面が細かくないと、高速伝送に遅れが生じてしまう。
一方で、銅の表面が細かすぎると、アンカー効果が得られず密着力が低下してしまう。このようなトレードオフの関係が生じている。
そこで、このトレードオフの関係を打破すべく、低粗度・高密着を両立できる銅の表面処理技術の開発に着手した
開発の経緯
下記のStepで開発を行った
-
Step 1
低粗度・高密着性が得られる表面処理剤の検討
-
Step 2
表面の安定化が得られる表面処理剤の検討
開発のコンセプト
Step 1.低粗度・高密着性が得られる表面処理剤の検討
低粗度でも表面積を大きくすることで密着性を向上できると考えた。一般的な表面処理剤では短時間で急激にひげ状凹凸が形成されるため、不均一で大きい凹凸になりやすい。
これを解決するために添加剤により、ひげ状凹凸の形成スピードを制御することが効果的と考えた。
Step 2.表面の安定化が得られる表面処理剤の検討
高信頼性を得るためにStep1で得られたひげ状凹凸に、さらに表面安定基を付与したいと考えた。
成果
Step 1.添加剤を選定し、濃度を最適化を実施
低粗度かつ密着力の両立が可能な表面処理技術が開発できた
Step 2.表面安定基の付与
低粗度・高密着、さらに高信頼性の3点の全てが良好な銅表面が得られた
出展 | Mate 2019 |
---|---|
発表タイトル | 銅箔のナノアンカー処理による低粗化・高密着・高信頼性の実現 |