05SOLUTION

NAMICSが開発に
取り組む5つの成長分野

エレクトロニクスの5分野に先端材料を提供

ナミックスの開発コンセプトはSEEDS。
S:半導体、E:環境、E:エネルギー、D:デバイス、S:システムという、エレクトロニクスの5つの成長分野に、次の時代をリードする高品質な先端材料を提供しています。

コア技術×解析で独自開発製品を生み出す

ナミックスの競争力を支える技術は、材料の組み合わせや混合・分散およびそのための設備開発も含めたプロセス技術、添加剤やフィラー、樹脂などの開発を通じて得られた独自の材料技術という2つのコア技術と、分析やシミュレーションといった評価解析技術です。これらを基盤として、顧客のニーズや市場要求を満たす絶縁材料、導電材料、フィルム材料などをスピーディに創り出しています。

開発体制としては、要素技術開発を目的とした部署と、中長期的な市場ニーズを把握して研究し、将来の事業を生み出すための部署に分け、時間短縮および研究内容の重複予防を図り、効率化を追及。これらの部署で約100名の潜在的発明者が開発に関わり、その77%が筆頭発明者となって特許を出願しています。主力製品の封止材や導電ペーストの他、近年は低温短時間で硬化可能な接着剤の開発にも力を注ぎ、ラインナップを充実させています。

開発志向のDNAが生まれた時代

カバー:厚くなる→直接塗布:薄さを実現

ナミックスの開発は、特性の異なる材料を組み合わせて、時には自社内での加工処理を行い、ニーズに最適な製品を創り出すこと。理論や知識、技術だけでなく、地道で粘り強い探索作業も必要です。それをいとわず、なおかつスピーディにやり遂げる――そういうナミックスの開発DNAが稼働し始めたのは、1980年代です。電卓の開発を進めていた当時のお客様から、当社の既存顧客経由で「半導体をコーティングする材料に活用できないか?」と打診されたのがきっかけでした。
当時、ICチップには半導体用絶縁樹脂カバーをかぶせるのが一般的。それでは求める「薄さ」がかなわない。そこで、絶縁塗料を創ってきた技術を活かし、ICチップに直接、絶縁材料を塗って保護カバーとしての機能を持たせられないか――という、業界の常識を覆す発想でした。「この仕事は必ず取る」と、開発部門は毎週新しいサンプルを作って提案。改良に改良を重ね、提出すること約1年間。58番目のサンプルで採用に至りました。これは後に「チップコート」として、半導体用途の液状封止材として様々な電子機器に適応され、ナミックスの存在を広く知らしめるものになりました。

潜在的なニーズを具現化する姿勢

ナミックスの製品はほぼカスタムメイド。どれだけ個別の顧客ニーズに応えることができるかが、顧客満足度に直結します。それには、ニーズや課題を正確に把握することはもちろん、時には顧客の製造工程やライン構築などにおける潜在的な要求を具現化することも必要です。顧客が電気・電子の言葉で語るニーズを、実際の製品のために必要な材料技術や化学の言葉に正確に翻訳する当社の技術者たちの能力の高さもまた、72年の歴史の中で培われたもの。

ニーズの傾向や背景を分析し、また、顧客である部品メーカーやアセンブリメーカーからの情報、業界や関連技術の動向を先読みして、未来の変化を予想。ニーズに並走して、いや、むしろリードして、先進性と柔軟性を両輪に日本のモノづくりの技術革新に寄与したいと思っています。

技術開発本部 取締役 本部長
吉井 明人

取材:2018年9月