Beyond5G/6G向け電磁波吸収材料

2024年07月01日

動機

  • 次世代通信 Beyond5G/6G では、データ量の増加に対応すべく、100~300GHz(サブテラヘルツ波)の適用が予測されている。
  • 100~300GHz(サブテラヘルツ波)の周波数帯では、自家中毒を防ぐためにノイズ吸収材が求められると予想される。

課題

100~300GHz(サブテラヘルツ波)に対して、薄膜での吸収性能が必要となる。

成果

100~300GHzの周波数帯において、全域で70%以上の電磁波吸収率を達成。

課題背景

開発の動機​

  • 2030年代に導入される次世代の情報通信インフラであるBeyond 5G(6G)は、従来の移動通信(無線)の延長上だけでなく、有線・無線や陸・海・空・宇宙などを包含した統合的なネットワークと考えられている。これにより、あらゆる産業や社会活動の基盤となることが期待されており、センサーや端末の増加に伴いデータ量の大幅な増加が予測されている。
  • データ量の増加に対応するため、Beyond 5G(6G)では、5Gに適用される周波数帯(ミリ波)よりもさらに高い周波数帯域を活用して高速大容量通信を実現する計画が進められている。具体的には、100~300GHz(サブテラヘルツ波)の適用が予測されている。
  • ただし、100GHz以上の高周波は、金属板や箔でのシールドに対して反射しやすくなり、デバイスが自ら発するノイズで誤作動を起こす可能性がある(自家中毒)。そのため、100~300GHzの周波数に対応するノイズ吸収材が求められると予想される。

開発の経緯​​

従来の吸収材料は金属板と組み合わせて反射波と入射波の位相差による打ち消しなどを利用したもので、吸収材単独で十分な吸収性能を持つ材料が無かった。また、従来の吸収材料はシートタイプのみで、複雑な形状や角部への貼付などが難しかった。
それを受けて、金属板等を必要とせずに単独でも十分な吸収性能を持つ液状材料の開発を行った。

開発のコンセプト​

  • 複雑な形状や角部などにも塗布可能な、熱硬化型の液状材料として開発する。
  • 金属板等を必要とせずに、硬化膜単独で100~300GHzの電磁波を吸収可能とする。

新技術獲得

特殊なフィラーを用いる事で、100~300GHzの電磁波を吸収

成果

  • 100~300GHzの周波数帯において、全域で70%以上の電磁波吸収率を達成。
  • 6Gで利活用が見込まれる140GHzにおいては、80%以上の吸収率を達成。

テラヘルツ波の減衰測定結果

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