全固体二次電池の開発
2019年01月15日
動機
- リチウムイオン2次電池は電解液を使用するため、衝撃が加わるとショートして発火などの事故が起こる可能性が潜む。
- すべて固体で構成されれば、極めて安全な電池にすることができる。
- その大きさも自由にできれば、蓄電部品としての用途は大きく広がると考えて開発に着手した。
課題
- MLCC(セラミックコンデンサー)の誘電体の部分を固体電解質に置き換えたら、電池のようになるのではないか?
- 問題点として、異なる材料の焼結挙動を合わせなければいけない。
成果
- 充放電特性を持ち、信頼性試験も良好な、酸化物系の全固体二次電池の開発に成功。
課題背景
- ナミックスでは、MLCC(セラミックコンデンサ)の試作技術を保有していた。
- MLCC(セラミックコンデンサ)の誘電体の部分を固体電解質と活物質に置き換えたら、全固体二次電池ができるはず。という発想から研究を開始した。
- 全固体二次電池が完成すれば、安全・長寿命・急速充電が可能となる。
開発のコンセプト
- 固体電解質は酸化物系と硫化物系に分けられ、硫化物系はイオン伝導度が高いが、水に触れると硫化水素(毒)を発生させる危険性がある。
そこで、より安全でナミックスの焼成技術という強みを生かせる酸化物系で開発を進めた。
問題点
異なる材料の焼結挙動を合わせなければいけない。
成果
- 固体電解質・活物質の材料検討を行い、焼結挙動を合わせこむことで、酸化物系の全固体二次電池の開発に成功した。
下図のような充放電特性を持ち・信頼性試験も良好な二次電池が完成した。
全固体二次電池内部構造
3.2mmX2.5mm 100層品 充放電特性
出展 | ICEP 2018 |
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発表タイトル | Multilayer ceramic Li-ion secondary battery |